独自ドメインを使ってなかった場合のレンタルサーバー移転
既にウェブサイトを公開中であっても独自ドメインで公開してなかった、というのはよくあるでしょう。ここではそんな場合のウェブサイトの移転(新レンタルサーバーへの移転)について考えてみます。
この場合は新レンタルサーバーへサイトデータを移転させた後に新URL(サイトアドレス)を使う事になります。残念ながら独自ドメインを使ってなかった以上は絶対にURLは変わってしまいます。
大事なのは元のサイトへ来てくれる訪問者に対しての心配りです。しばらくは旧サーバー、もしくはサービスを利用し続けないといけませんが、新URLへの転送設定(リダイレクト)を施しておけば訪問者が迷子にならなくて済みます。
転送方法は主に三つです。
それぞれ一長一短ありますが、確実に転送させたいなら三番目が効果的です。
但し、.htaccessファイルはプロバイダのディスクスペースやレンタルブログなどでは利用できない場合があります。
最も単純な方法です。元のサイトに新サイトへの告知文を挿入します。
『 新サイトへの移転に伴いこちらのサイトはまもなく閉鎖されます。⇒ 新サイト名(URL) 』
単純ですが、元のサイトを暫く閉鎖させたくない場合に有効です。但し全てのページに記入する必要があるので、新サイトのトップページへ飛ばすだけなら単純な置換作業だけで済みますが、ページ単位で飛ばそうとすると、個別にURLを変えないといけません。
この方法は訪問者のクリックを期待するものなので、最も確実性に欠けます。
<meta http-equiv="refresh" content="5;URL=http://www.○○○.com/">
意味は単純で、5秒後に指定URLへ自動的に移動する、というものです。
記述自体は単純でいいのですが、この方法はあくまでページ単位でしか効きません!その為に一番目の方法と同じく、サイト内の全てのページに同様の記述をしないといけません。全てトップページへと転送させるなら単純な置換作業で済みますが、ページ単位で飛ばそうとすると、個別にURLを変える必要があります。
またこの方法はブラウザに処理を依存するものなので確実性に欠けます。もしも用に、
「当サイトは移転しました。自動的に移動しない場合は、下記のリンクをクリックして移動して下さい。」
なんて一文を添えておくと安心です。
最初に断っておくと、プロバイダのディスクスペースやレンタルブログでは.htaccessの利用を制限している場合があります。そんな場合はこちらの方法は使えません。
.htaccessはサーバー設定ファイルなので、命令文を書き込めばウェブサーバーの動きを制御できます。
.htaccessでの転送命令文は簡単です。
まず.htaccessファイルは初期状態ではサーバー上にないので自作します。テキストエディタで新規作成を選び、以下に説明するようなコードを挿入します。(スペースは全て半角)
Redirect permanent 転送元のパス 転送先のパス(改行)
※たった一行の命令文でも行の最後に改行を入れるのを忘れないでおきましょう。ないとエラーになります。
移転前のURLが http://www.old.com/mysite/ で
新しいURLが http://www.new.com/ であるならば以下のように記述します。
Redirect permanent /mysite/ http://www.new.com(改行)
意味は単純でこの記述を施すと、http://www.old.com/mysite/ 以下にアクセスがあると、http://www.new.com/ に転送してくれます。
.htaccessでの命令は全てディレクトリ単位で機能するので転送元に /mysite/ と印すと、それ以下の全てのサブディレクトリに対して設定が有効になります。
この設定を施すと例えば、
http://www.old.com/mysite/hoge.html への訪問者は、
http://www.new.com/hoge.html へと転送されます。
つまりファイル単位で面倒を見てくれる訳です。
但し移転前後でディレクトリ構造は同じにしておかないといけません!
http://www.old.com/mysite/⇒これ以降一緒
http://www.new.com/⇒これ以降一緒
次にサブドメインを使っていた場合ですが、実体URL(ディレクトリ形式に直した時のURL)によって変わってきます。あくまで一例ですが、
移転前のサブドメインが http://mysite.old.com/ で、
実体URLが http://old.com/mysite/
新しいURLが http://www.new.com/ であるならば以下のように記述します。
Redirect permanent /mysite/ http://www.new.com(改行)
最初の例と同じですが、あくまで実体URLに対しての設定になるので結果的に同じになります。尚サブドメインの場合旧サーバーの設定によっては、この記述ではうまくいかない事があるので注意して下さい!
最後に、独自ドメインを使ってなかったとしたら関係ないかもしれませんが、もし移転前のURLがディレクトリ形式ではなく、ドメインルートhttp://www.old.com/ であったならば以下のように記述します。
Redirect permanent / http://www.new.com(改行)
こう記述する事で http://www.old.com/ 内の全てのディレクトリへのアクセスに対して転送設定が有効になります。
≪.htaccessファイル、アップロード≫
新規ファイルに適宜命令文を記述した後にファイル名 .htaccess として保存します。(ドットを付け忘れないように!)
.htaccessファイルは設置したディレクトリ以下の全てのサブディレクトリ、全てのファイルに対して機能します。なので旧サーバー側のトップページを置いてあるディレクトリにアップロードします。(転送はASCIIモードで)
パーミッションは、HTMLファイルと同様の604にしておけば問題ないでしょう。
非常に便利な.htaccessファイルですが、問題がひとつあります。
それは検索大手のGoogleがこの手法を嫌う事です。.htaccessでの転送設定は検索エンジンの抜け穴を衝いて、強引に検索上位を狙おうとする検索エンジンスパムと見做される可能性があります。最悪、新旧両方のサイトがGoogleのインデックスから完全に消えてしまう事態となります。
「Googleなど知ったこっちゃないっ!」という方には問題ありませんが、そうでないなら1番目もしくは2番目の方法をお薦めします。
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